測定装置の光源として活用
NDIRはNon Dispersive InfraRedを略した用語であり、日本語にすると非分散型赤外吸収という意味になります。NDIRによる測定方法は、ガスが有する固有の吸収波長を利用した赤外線量測定装置に幅広く活用されています。具体的には自動車の排気ガス濃度の測定や車内環境のモニタリング、室内におけるガスや火災などの検知、温室効果ガスや冷媒ガスの計測、アルコールの検知などに使われているのです。
その装置の光源として使われているのがNDIR赤外線ランプであり、高い精度と長寿命がその特徴となっています。一般的な光源用のランプと比較すると小型でありながら赤外線出力が高く、反応性に優れるというメリットがあるのです。立ち上がりが早くすぐに一定の出力に達するため、様々な作業の現場においてスピーディーな測定が可能になります。さらにその赤外線量の安定性が高く、確実で高精度な測定を実現することができるのです。
二酸化炭素を観測するNDIRは集積回路設計に役立つ
NDIRとは、非分散型赤外線吸収法と呼ばれる技術を使って二酸化炭素を観測します。この観測方式は赤外光源から放射された赤外線ビームがガス分子に当たることで、分子を探知して濃度を測ることが可能です。NDIR装置を用いるのはIC(集積回路)チップを生産する工場といった二酸化炭素を主原料にする精密機器取り扱い現場の他、研究所・大学施設と多岐にわたるのが特徴。
このNDIR方式が確立されたのは1998年で、それまでのバイオガス検出は計測器を持った人が直接、検体を手にして試験液を使用する時間のかかる実験をしなくてはいけませんでした。非分散型の赤外線吸収法であれば、離れた場所から赤外線を照射すれば目標物体のガス濃度を瞬時で計測できるようになり、大幅な時間の短縮を可能にしています。この計測法が登場してからは国内のIC(集積回路)設計が飛躍的に高まり、短期間で数多くの高性能チップの生産を可能にして単価値下げにも繋がりました。