NDIRのメリット・デメリット
NDIR(非分散赤外線吸収法)は気体の状態にある様々なガスの濃度を測るのに最適な方法として古くから広く知られてます。
これは特定の波長の赤外線を吸収するガスの性質を利用しています。
そのためNDIR方式の装置には赤外線を出す機器と、その光線が変化した様子を検知する機器があるだけといったシンプルな構造になっています。
このことは装置が複雑にならないばかりか、おのずと故障箇所が少なくなり、長期に亘って使い続けられるメリットがあります。
これが登場するまでの装置は大掛かりなものだったり、かなり高価であったり、デリケートで扱うのが面倒といった面がありました。
ところがこのNDIR方式も万能ではなく、いくつものガスが混じったものだと、異なる波長を吸収する組み合わせの場合は問題ないのですが、同じ性質を持つものが混じっていた場合は、判別が困難になります。
また水蒸気が含まれている場合だと測定結果が正確に出ないガスもあります。
水蒸気が含まれている場合はそれを除去する作業が必要になるなど、デメリットもあるのです。
精密光学機器であるNDIRに見られるデメリットとは?
現在主に4つあるセンシング方式の中で、寿命が非常に長く、赤外線吸収帯域(波長)の性質を利用した非拡散赤外線吸収方式(NDIR)には、いくつかのデメリットが存在しています。
たとえば、ある常温下においては非常に高い精度を誇るのですが、気圧や温度など環境が変化すると測定に誤差が発生してしまい、透過率が変化してしまうことがあることです。
特に光検出部等に結露ができたり、タバコの煙等に反応してしまう場合があり注意が必要です。
また、同一吸収帯域を持つガス成分があるために、エタノールを正確に識別特定するためには1波長だけでは難しいということもデメリットとして挙げることができるでしょう。
その他にもNDIRは精密光学機器であるために、他の方式に比べて価格が高いということや、装置が大掛かりになってしまうという問題もあります。
ただ価格に関しては、NDIRは寿命が長いので最終的なトータルでの損得勘定が変わってきます。