NDIRの歴史
NDIRの歴史は1930年代には始まっていました、その当時は波長ごとに吸収量を測る赤外分光光度計というものが製作され、光の波長を選別していました。これがいわゆるIRです。ですが、その分光光度計に用いられていたプリズムが非常に高価であったことや、使用しないときは必ず乾燥箱に入れておかなければならない、装置が非常に大きくなるなどという取り扱いの面倒さから、別の方法で赤外吸収が出来ないかというニーズが高まりました。そこで1950年代に生まれたのがNDIRで、赤外線をプリズムで分散させず、そのまま試料ガスに直接照射して測定するNDIRの技術が発達しました。
このNDIRは世界のみならず日本の現場でも取り入れられ、様々な工業用の赤外線分析機器が製作され、化学や金属などの生産現場において活躍してきました。現在でもその技術は最新の車やガスセンサー回路などあらゆる分野で用いられており、私たちの生活を支え続けています。
非分散赤外線吸収法(NDIR)を使った機器の特徴
非分散赤外線吸収法(NDIR)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。一般的にはほとんど知られていない言葉ですが、これは世の中で色々と役に立っています。
この非分散赤外線吸収法(NDIR)は特定のガスの濃度を正確に計測するために使われる方法です。身近な所だと、ガス漏れや火災の検知器などに使われています。あまり身近ではないですが、自動車の出す排ガスの測定や呼気中のアルコールを検出する機器にも使われることがあります。もちろんこの方法以外を用いた検知器もあります。ところでこの方法が登場する前は、赤外線をプリズムで分散させる方法が使っていましたが、装置が大きくなり、あまり雑に扱えないといった面がありました。それを非分散にすることによってプリズムはいらなくなり、赤外線を発生させる装置とそれを検知する装置だけで作ることが出来るようになりました。部品が少なくなれば長寿命にもなり、メンテナンスも最小限に留まるといった特徴も出てきます。今では発生装置も検知装置も小型化されています。